爪先に光路図

3作品が収録された繊細で美しい短編集です。多くを語らず必要以上の接触がなくても、表情や仕草でこんなにも心情が表現できるものなのかととても感動しました。2、3作品目はややファンタジーなので苦手な方もいるかもしれませんが、行間を読む作品が好きな方にはぜひ読んでいただきたいです。ノンブル横に作品のモチーフが添えてあるのも遊び心があって素敵だなと思いました。

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美しい絵に哲学的なセリフ、とても素敵な作品です。エロ大好きなんですが、エチもないのに何回も読んでます。個人的に表題の書き下ろしの先輩女性目線での話が物語のスパイスになっていて、その後の二人の穏やかに恋が進んでる様子が見れて良かったです。

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芸大の素養を感じる作画を、久しぶりに見た気がします。お話はどれもその素養を生かす自然の描写が随所に光る舞台設定です。表題作のフィールドワーク、２作目の魚たち、３作目の自然溢れる田舎風景。動植物の繊細さ、建造物の硬質さ、どれをとっても銅版画を思い起こすような、鉄筆の細い線をひたすら積み重ねていく濃密さがあります。ゆえに、それらを最も堪能できるのは印刷物である紙書籍かと。内容も同じくらい繊細で、センチメンタルであったり、ファンタジーであったりと独特ですが、どれも心にスッと入り込む柔らかさがあるように思います。濡れ場は全くありませんが、これはこれで素敵なお話ですので個人的には好きです。

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美しい漫画。背景や人物が丁寧に書き込まれ、小説のようなセリフも心にすっと入ってくる。そのせいか、「何か」が起こると言う訳でも無いのに短いページ数でも読み応えがあります。惜しかったのは、人物の描き方（大きさ、アングル）が単調になる所があるのと表情の熱の物足りなさです。

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初めて読む作家さんでした。独特の絵、美しく不思議な世界観。エロい要素は無いですが、刹那、と言うのでしょうか。物凄く満足した１冊です。

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