花と手錠

暗い内容なのに、攻め受け二人の心情の表現方法が秀逸で、面白く読ませていただきました。ずいぶん前の作品なのに、色あせてないですね。

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「この憎しみも、この恋も、両方ともにウソはない。」と痺れるセリフがあちこちにある、複雑な関係と心情描写が好きな人におすすめの作品です。SITエースの受けと財閥御曹司(ただし外腹の子として冷遇されている)の攻め、共に壮絶な過去を持ち、お互いに破壊衝動傾向がありながら、そのストッパー役にもなっているという拗れた関係。重い設定の割には、痛さや暗さをあまり感じなかったのは、2人ともがそれらを昇華しようとしているからでしょうか。攻めが体育会系のガタイの割にはITを駆使して受けを助けるのに意外性があり、女王様風受けが実質強くて、時折見せる無防備な可愛さにギャップがあって、すごく魅力的です。また、受けの「飼育係」と言われる勝又君がいいんだわ。攻めの脇を固める巨漢ながら繊細で優しいカルロスとハッカー少年も興味深い。少し前の作品ですが、これらの脇役との出会いなど、番外編を出してほしいなぁと思います。

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主役二人の関係性や事件や設定、どれもがうまく絡まり合っていてページをめくる手が止まりませんでした。すごくおもしろい。会話の痛快なやりとりも気持ちいいし、ハラハラするし、スリルもある。脇のキャラも魅力的。勝又さん、個人的にとても好きです。江澤さんが気の毒ですね...現実の辛さ、全部スムーズに都合よく収まらないリアルさがあります。複雑な愛憎の表現がとても泥くさかったり時にロマンティックだったり。質の高いお話だなと思いました。

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初めての作者さんでしたが、よかったです。時々、誰の台詞かがわかりづらいところがありそれだけが難点でしたが、ストーリー展開とか性格設定とか、考えられていたとてもよかったです。

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良かったです！ビタースイート系が好きな方は是非！どちらかというとビター寄りですが。決して消せない感情の溝と、にもかかわらずままならない恋情ゆえに傷付けてしまう。そういう心情が丁寧に書かれていました。再会してからは高校生の頃から成長した証のように、溝を飛び越えて恋を掴んだ結末が良かった。溝はなくならないのでこれからも穏便ではないでしょうが、それがまた愛を感じました。ただ、高校生の頃の回想がぶつ切りで出てくること、時系列ではないことでちょっと読むときに注意が必要でした。あと、SITのエースが若干無防備。。。

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