レビュー一覧

作者買いです。　他の作品ほど意外性に富んだ設定ではありませんでしたが、ヒロインのタビサとヒーローのプレイトン公爵の小気味良い会話や、2人の親友達の活躍はさすがPage turner と呼ばれる作者のことだけありとても上手です。　タビサの婚約者もどきの名前をさんざん間違えたり(たぶんわざと...)、タビサの飼い犬のミスターマギンズが引っ掻き回したりと、日常的な場面を笑いが満載な場面にするところはこの作者の作品に共通していて、最後まで楽しく読めます。　残念ながら、私のお気に入り作品｢理想の妻のたくらみは｣や｢まだ見ぬ公爵からの求婚｣ほどではなかったので、星は1つ減らして4つにしました。　2人の親友のハリーとロクスリー伯爵が次の主人公かな〜?と思わせる伏線もありました。兄も恐れるストレートな妹のハリーと、ちょっとつかみどころがないでも実は超鋭いロクスリー伯爵の組合せの方が面白いお話しになりそうなので、次回作に期待したいと思います。

会話だけでなく全体的に小気味よく、いい感じに鼻につかないカジュアルな文体で、時々プッと吹いてしまうような笑いのある話でした。翻訳が良いのでしょうか?最初ヒーローのろくでなしっぷりが結構すごくて、全く魅力を感じなかったのですが、ヒロインとの出会いですっかりイイ男に変身。傲慢だけど実は寂しがりやなヒーローが、オトコ臭をプンプンさせてヒロインに甘えてる感じは良かったですね。ロマンチストだけど現実的なヒロインの心の声が辛辣でかなり笑えました。あと愛犬のミスターマギンス(ステキな名前!)もホントにかわいい☆

題名に惹かれて借りました。確かにヒロインは、牧師の娘で波乱万丈あり、最後は、公爵と結ばれるのですから、シンデレラです。ヒロインがもう少しヒーローに素直な態度だと可愛らしかったかなあ。ヒーローが自分の評判を地に落としてまで、ヒロインを守ろうとしているのに、結構、ぞんざいな態度で。まあ、最初から、ヒーローとヒロインは、惹かれあっているんですが。私は、爵位があまりよくわかっていなかったので、読み始めた時は、伯爵、公爵、侯爵の身分がこんがらがっていたのですが、ヒーローは、とても身分が高かったのですね。貴族社会の勉強になりました。

清貧で虐げられたシンデレラが、耐え忍びつつも幸せを掴む、そんな流れだと思っていたら、確かにそう育っていただろうけど、お話になっている部分はそういった場面は出てこなくて、むしろお話はドタバタコメディタッチで展開します。社交界ルールや周囲を破りちらして醜聞のもとになるヒーロー。実は悲しい過去があるけれど、それに浸っている間もなく、ドタバタ劇場に引き戻されます。

久々に正統派ヒストリカルを読んだような気がしました。登場人物が個性的・魅力的で、文章もユーモアたっぷりで面白かったです。一場面での会話が延々と長く続く傾向があって、ちょっと飽きてきてしまう事が度々ありましたので、そこが☆マイナス１でした。続編も読みたいです。

シリーズ3作品を読み終えて読み返しました。２作目・３作目につながる伏線や、わき役がちりばめられていて、また楽しめました。身内に恵まれないヒロインはいろいろな危険にさらされます。それを助けるため、人として成長するヒーローが魅力的です。