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だんだん読んでいくうちに二人が通わせていく所が凄く良かったです。。

親に見捨てられた兄弟物。弟の執着が病的に凄まじく、ちょっと怖いと感じたのも束の間…。自分を犠牲にしてでも兄を守ろうと必死になる姿がカッコいいです。兄は割と常識人なのですが、知らぬ間に弟に守られていたことを知り、弟のピンチに今度は自分が守ろうと奔走します。蓋を開けてみれば強い絆で結ばれた兄弟で、禁忌の道を選びますが嫌悪感はありませんでした。

確かに重いです。すごく重くて痛いです。若い頃に読んだ時は、うわぁ…って思いました。でも今読むと、この兄弟は他人が入る余地なんて無いなぁと思いました。愛する兄の為に社会の闇に浸かってきた弟と、慎ましくも真っ当な生活をしてきた兄。弟の過酷な人生を思うと兄を他の男になんかやれないという気持ちもわかります。男の自分では与えられない幸せがあるからと、兄が女性と交際する事を認めてきた点も好感が持てました。兄の会社の先輩は本当に優しくて好青年で、兄を大切にしてくれると思います。でも、全てを知ってしまったら弟を選ばざるを得ない…というか、ここまで人生を犠牲にしてきた弟を捨てるようなマネは出来ないというか…。この兄弟、大変だなぁ。

弟の兄に対する肉親以上の想いや劣情は兄の方もかなり前から持っていて、理性で無意識にストップかけてただけだったんだなとわかると早くその枷をはずしちゃってーともどかしかった。弟の不安定さが読んでいて苦しく、他人の手で兄が吐精したことにショックで泣いちゃうところが子供みたいで可哀想になっちゃうと同時に海里と同じような愛しい気持ちが湧きました。墜ちた、という感じはしないかな。解放されて羽ばたき、海のように広く深く落ち着けたような二人の名前をなぞるような、世間の目からはほの暗いかもしれないけど確かな幸福の中で１つになれたという印象です。

弟(攻)→兄(受)の執愛。育児放棄された為二人で力を合わせて生きてきた兄弟。弟は「秘密の過去」を盾に兄の罪悪感を煽って肉体関係を迫る。一方の兄も家族として弟を大事にしている為拒みきれず…という、情なのか憎しみなのか解らなくなっていく私の大好きな関係性。思っていたよりは、兄も弟も人格崩壊することなく進みました。いや、十分日常生活に支障きたす程二人共錯乱してくんですけどね。根底に兄弟としての信頼関係ができているのでそこまで絶望せずに読めた印象。後日談ではさりげないカタルシスがあって良かったです。

ガチ兄弟が見たくてよみました。弟のキャラはとてもすきです。兄の為に凄く頑張って、健気でかわいいと思う。彼の痛いくらいな兄への愛をとてもとても感じます。おまけに兄が幸せであるなら兄が女性と結婚する事さえ我慢しようと視野に入れてるくらい。なかなかそこまで思え無いですよ。そうまで思ってたのに、よりによって男に口説かれる兄。体はって兄を育て兄の事だけ考えてきたのに男にもっていかれるくらいなら渡したく無いって思いますよ。しかし、当て馬も悪い人ではなくまともな人でした。この方も幸せになって欲しいと思った。ただ、兄の弟への想いが、私はもう少しほしかったかなぁ。。深い絆や弟の事がとても大切なのは伝わるけど、恋愛感情的な愛より家族的な愛情の方がつよいかなぁ。もう少しだけ弟への甘い甘い執着がほしかったな。そしたら五つ星でした。私だけがそう感じただけかもしれませんが。

…すみません、私ウキウキして読んでしまいました。兄上司ジャマ！って思いながら読んでました。や、だって登場人物の中で弟が一番かわいそうだから幸せになってほしいし、これで兄ひとりが幸せになったら弟くんかわいそうすぎます。。執着攻め、ヤンデレ（この作品はここまでいかないかな）が好きな人は楽しめると思います。

子供時代の話が痛々しかった。幼児虐待は現実に昨今でも起きているので、絵空事に思えずに辛さが伝わって来ました。この兄弟の場合、寄り添い合える相手がいて救いでした。弟の方が利発で賢すぎたとは言え、お兄さんは鈍すぎ。大人になって生活が安定し、兄の為に稼ぐ必要がなくなった弟が精神的に不安定になるのも当然の様な過程でした。ここまで悲惨な過去を共有している兄弟だと、人に迷惑掛ける訳じゃなし、ずっと仲良く寄り添って合って幸せになって欲しいです。

皆さんの評価が様々なのが、まず興味深かったです。そして、表紙がすごく素敵。過酷な子供時代を兄弟２人で乗り越えてきて、兄は弟のために、弟は兄のために、自らを犠牲にして守ろうとします。弟の兄への思いは異常なほど深く、その一途な愛を知ってしまった兄は弟から逃げず受け入れる覚悟をします。受けの兄が男らしくて素敵でした。

弟×兄の兄弟もの。兄弟ものは大好きですが、もっと攻めの執着が強めの方が好みです。その点では少し物足りない。ただ受けもほどほど淫乱になってくれたのは良かったです。それと弟が身売りしてた件は、自分からじゃなく別ルートで明らかになった方がなお良かったかも。