レビュー一覧

読んで凄く落語に興味が出てきました！恐らく、話中に出てくる噺(はなし)を知ってると、更にハマれそうです。夢中で5回は読み直しました。作者さま買いでしたが、私にとっては一気にこの作者さまの作品内ではナンバーワンになりました。(BLではありませんので、いつも作者さま買いされてる方にはご抵抗がお有りかもしれません)なんというか、八代目に大変色気があり、他の登場人物も愛しさと憎しみと悲しさと有り…惹かれました。良いお買い物でした♪

信ちゃんの父親問題。どうも「見事な伏線回収！」的なレヴューがあちこちのサイトで散見されると思ったら、どうやら特装版のほうで辻褄合わせが行なわれてたんですね。通常版・デジタル版を買った読者に対して失礼というか、あわよくば２重購入を狙ったのではと勘繰りたくなるとても卑怯なやり方ですが。筋書きとして辻褄が合えばイイというものではありませんよ。最終話の樋口氏のあの妄想がもしその通りであるならば最悪のオチです。「落語心中」のみならず、雲田氏の作品は今後絶対に買いたくないと思うくらい。

すごく面白いと思って読んでいたのに、最後でひどく裏切られた思いです…伏線が見事だとかどうでもいいほど後味悪く、気持ち悪い。落語的などんでん返しを狙ったのだとしてもこの展開はやめてほしかった。

最終回読んで唖然としてます(；ﾟДﾟ)どちらかは分からないとしながら、答出してる~！え~~！それは、途中巻の雰囲気とチガクナイ？でも、9巻で親分さんと何やら秘密は守る的な話してるし…後付けの設定にして欲しい…。そうでなければ、弟子に押し付け、平気とか何か変~~~！そこのとこの関係がビックリ過ぎて、あんなに全てが感動的なのに、★ひとつ減…

もともと世間で絶賛されているほどはまってたわけでもなく何となく読んでたのですが、やっぱりラストに脱力。小夏もみよ吉も、そんないい女かね。個人的には世間にはもっとほかにいくらでも女いるだろうに、作中選択肢として男の側にはほかの女は与えられないまま、逆に女のほうはあちこち好きなだけ男渡り歩くのかい、みたいな。まあでもそれさえも別に小夏が優遇されているからというわけではなく、落語うんぬんよりも、結局小夏・みよ吉を媒介とした師匠と兄弟弟子との時を超えた壮大な間接BLが描きたかっただけなんかね、とかゲスい勘繰りさえ入れたくなったり。

このヤクザな若者が惹かれた噺家は、まるで今は亡き円生氏のように感じました。戦後間もない時の彼はそれは綺麗な人だったと母が良く言っていましたが、作中の師事した噺家も設定が普段も噺しをしている時もお洒落で色気のある人物に描かれていて、生き方も一本筋が通っていて粋です。又、時代の雰囲気も出ていてうなりました。落語は楽に語ると書きますが、噺家は真打ちになるまでは志ん生氏の云う処の食えないし、飯が好きではやっていけない商売で辛抱がきかない人向きではないといいます。本当に落語が好きで好きでこれを何とか人に聞かせたいという一途な気持ちが有って、聞きましょうという聞き手と話し手との真っ向勝負みたいな緊張感が何とも良いんです。私も幼い頃はラジオにかじり付いて聞き、大人になってからはレコードやCDで聞いています。落語は名人級の人が噺すと噺手の世界にどっぷり浸かって終わるまで抜け出せません。そういう意味では落語家になったら死ぬまで落語を捨てられない因果な商売かもしれません。表題もそんな所から来ているのかなあと想像するに止みません。

落語に全く興味がない自分でも、特殊な業界の話としては面白く最後まで読みました。ただどうしても小夏が好きになれず理解もできず。与太がここまでバカにされていいわけがないし、与太が小夏をまるで女神のように崇めて、おこぼれに預かれれば幸せです〜みたいなのがさっぱり分かりませんでした。この業界が、そういうのまで芸の肥やしとして許してしまう雰囲気があるのか？と疑ってしまうところでした。

女性にも男性にも失礼な作品だと思いました。登場する女性が非常に業の深い、蛇のように男性を堕落させる存在に描かれていることや、男性の友情が安っぽいBLになってしまっていることがその理由です。登場人物全員が与太郎の大らかさの上に胡座をかいてトクをし、救われ、当の与太郎は盲目的にいい人であり続ける、というファンタジーすぎる人物描写はもはや同人誌の領域。ここまでくると与太郎はバカでもいい人でもなくただのサイコパス。結局まともな人は誰も出てこない世界でした。

絵も話も文句ナシに自分好みです！男性を色っぽく、しかも可愛げに描くのが得意なのがこの作家さんの特徴ですが、落語家という職業に見事にそれがハマっています。江戸っ子調な話し方も盛り上げ方も大好きです。つまらなそうになる落語の長いシーンも絵のおかげで味わい深く楽しめました。アニメになるということで音声つきで楽しめるとなると楽しみです。落語の話は今まで見たことなかったので最初からぐっとひかれました。そのまま引き込まれて飽きることなく7巻まできましたが続きが楽しみです。

す〜ご〜く良いです。硬いタイトル名と表紙なので、借りるのをいつも後回しにしていましたが、もっと早く読んでいればよかった〜。出てくるキャラクターが皆興味深くて無駄がない！ 話のテンポもコマ割りも、情緒があって、映画を観ている様な気がしてきます。雲田はるこさん、最高です！！！ 落語をもっと知りたくなりました。