レビュー一覧

タイトルが印象的で以前から気になっていました。作者さんの初コミックスとのことですが、素晴らしいですね...。サンプルを見た限りではあっさりとした絵でなんとなくおしゃれ風な浅い内容なのかな？と思いましたが、読んでみるとBLにとどまらない内容で驚きでした。仕事や家族や色々な関係の中で自分らしく生きたい、生きていかなければならない若者たちの模索が伝わってきて引き込まれます。かと言ってシリアスなストーリーだけでぐったりな暗い作品ではなく、BL的な展開もしっかりあります。ふたりが関西弁の愛すべきキャラで今の若者っぽいゆるさもありバランスが良いです。ネタバレになるので詳細は省略しますが、思わず泣いてしまった場面も...。BLで泣けたのは久々です。若い頃に働き始めて理想と現実にギャップを感じたり、自分探しで焦ったり悩んだりした事は誰にでもあるのではないでしょうか？これを読むとその頃の景色や感情を思い出し、切ないような嬉しいような気持ちになります。BLだけの内容ではないのが逆に魅力的だと思いました。今後の作品にも期待です！

こんな胸くそ悪いBLマンガなかなか無いよね。というのが私の感想です。それなのに高評価多いんだよなぁ…　まぁ少数派の感想も読んでください。　　まず、妹尾と高木と永慈。私の中ではクズ３人組です。　子供がほしくて３人でやりまくり最初どちらの子かわからず後から永慈の子と判明って…　ゲス過ぎてビックリ！　いくら子供が欲しいからって、19才と25才で何故その発想？？　男２人は好き同士なんだから、普通3Pは断るよね?　100歩譲って人工授精とかさぁ…　本当、子供が可哀想。　恋愛に子供を利用するこの３人に嫌悪感しかありません。　そして矛盾しますが、この作家さんに言いたいのは、妹尾のトラウマであろうこの重要な部分を、妹尾と杉本の会話だけで描写したという逃げの姿勢にガッカリ。　読者が引く程のゲス設定にしたのならば、そこは言葉に逃げず、３人の絵で表現してほしかった。　絵によって私にもっと印象的な嫌悪感を与えてほしかったです。　言葉だけの表現なので嫌悪感も中途半端。　そして妹尾が最後まで好きになれなかったです。杉本に手を出すの早過ぎ。Hが好きなビッチにしか見えませんでした。まぁだから3Pもできたんだろうけど。　絵はけっこう好きなんだケドなぁー　作者様と私の価値観が合わないってことですかね。

これは、買いです！サンプルのカラー絵のセンスにやられて購入しました(わたしも小学生の頃トレーナー着たら必ずパンチパンチってやっていました。笑)が、内容もとってもすきでした。これが初コミックスだなんて！これから作者買いしてしまいそうです。関西弁だからか、テンポ良く話が進み、あっという間に読み終わってしまいました。もうちょっと読んでいたかった。2人がお互いに支え合っていつの間にか特別になって、愛おしい存在になっていく過程が自然でよかったです。仕事は楽しい、けど、特別好きではない…。家族との仲、友達や恋人との関係…過去を引きずって…。絵や会話の印象からコミカルかと思いきや、意外と話は人間くさくて「あー、こういうことあるよなあ」と自然と感情移入していました。杉本のお兄ちゃんの「折れるということはゆるすということで、昔のことは清算して今のじいちゃんを受け入れることが結果的に自分が救われるかもしれん」という言葉がグッと突き刺さります。しかし、笑いどころもあるしコミカルなやりとりもあるので、特別重苦しいわけでもなく、読後感良かったです。

評価の似ているレビュアーさんが高評価だったので。内容はとてもいいです。ただ何というか人間模様や自分探しもいいけど、基本惚れた腫れたのハラハラがメインでないとBL読んでる気にはならない自分の場合、恋愛は添える程度になってる今作は星3かな。

初コミックスですか。素晴らしい一冊でした。絵がオシャレあっさりなので、内容もそんな感じなのかなと思ったら、十分ヒューマンドラマ性があり、映画のテーマに使えそうな内容でした。よしながふみ先生がこういうの得意そう！現代っ子のくくりでは収まらないであろう過去と確執と心の傷を、そこらへんにいる兄ちゃん達だって背負ってる。誰だって背負ってるんじゃんヨと思ったら、私の悩みも大したことないやって感じさせてくれます。そして妹尾がかの2人に再会するシーン、切なくてうっかり泣いてしまった。ラストは、えっ、そうくるか？って思いました。腑に落ちない人もいるかもですが、これもまたドラマ人間模様。しかし願わくば、5年後位の2人に会ってその後を確認したいって、たくさんのお姉さん達は思ったことでしょう‥‥！

絵津鼓さんの作品が好きです。今回も安心して作者買いしたんですが、油断しました(泣)三角関係で3Pって！いくら事情があったにせよ現実離れし過ぎて妹尾くんに感情移入出来ず、3人の関係にも嫌悪感抱いてしまいました。ひたすら子供が不憫だなとモヤモヤ。読後も何かモヤモヤ….。関連作品や続編があるみたいですが、続編で3Pの時の子供が登場したりするのなぁって考えるだけで胸がきゅっと痛くなってしまいます。評価を下げてしまいごめんなさい。

これは、すごい。初コミック？ホントに？ただのBLじゃなかった。人間関係や『自分探し』、生活の中での大小の葛藤、価値観、軋轢、許し。在り来たりのその他BLのようなはっきりとした結果を求める方には向かないかなとは思います。が、これは是非読んで頂きたい。うっかり泣きました…後悔はしないと思います。是非！

絵が好きですが、この話のシリーズは好き嫌い出るかな？三角関係の前作の続きみたいですが、なんかスッキリしない。同級生とばかりの世界で狭すぎる。きれいごとに片付けている感じが嫌でした。レンタルで十分かな？

高評価が多いですが、私には全く響くものがありませんでした。まず、コマへの描き込みが少なすぎます。基本、背景が真っ白。そして、人物の顔のアップと台詞がページを占めています。場面の切り替わりもワープしたんかいってくらい突然だし、うっすらとした部屋の背景のみ。背景描写が極端に無さすぎます。加えて、人物描写も希薄です。養育を放棄した両親に代わって厳格な祖父に育てられたからって、何故その祖父と確執が生まれたのかよくわからない。非行に走った兄のようにはなるまいと思っているにもかかわらず、祖父に反意して家を出ていこうとする気持ちの流れが全く見えません。グレた兄のようになりたくないと思う思考があるなら、厳しい祖父の言うことが理解できるのでは？祖父との確執、兄への子供じみた反抗心。ここが後半で柱のひとつになっていますが、柱にしたいなら過去描写をあっさりと描いたらダメだと思います。もう一本の柱は受けクンの過去ですが、突っ込み所満載でしたが、そっちはいいです。結果、男とられたってだけの過去話なので。せっかく好みのイラストなのに残念です。同級生設定も最初に「あれ？同級生だよね？」って話しかけるだけで、意味のない設定だったし。色々勿体ない一冊でした。

主人公たちが、辛い過去を背負っていてそれを乗り越えて行くお話です。「許す」という事が、この作品のテーマのような気がします。攻めの朝人は厳格だった祖父を、受けの妹尾は元彼と女友達を。二人とも一番許せなかったのは自分自身の様ですが。許す、という事が自分の救いにもなるというのは、宗教じみているけれど、ある程度長く生きていると確かにそうだと思います。主人公たちの過去に起った事は本当に読んでいて辛かったし、許すことで前に進む様子を最後に見られてよかったです。ただ残念なのは、やはりBLなので恋愛が見たかったなという所です。二人は寂しさを埋めるように勢いで体の関係になって、最後は両想いっぽくはなるのですがはっきりとした表現はなく。こんな感じでダラダラと行くのもアリなのかもしれませんが、少しモヤっとしてしまいます。（作者もあとがきで、二人は付き合っているのか？と書かれています）少しでも良いので描き下ろしで、恋人同士の幸せそうな二人が見られたら満点でした。