レビュー一覧

会話から想像すると、この人、綺蝶の後輩、蜻蛉の先輩か同期ぐらいで、二人がいなければおそらくお職をはっていただろうと思われる、一見、ビジネスはビジネスと割り切る悪女（男）な傾城・藤野の一途な純愛物語です。前作「ろうたし甘き蜜の形代」の椛のくだりと同時進行的なエピソードもありますので、前作を合わせて読んだ方がわかりやすいです。このシリーズで、綺蝶、椿、玉芙蓉あたりがお気に入りの方ならば、楽しめるお話だと思います。

花降楼シリーズ10冊目。前作の椛の話と時期が重なる部分があるので、合わせて読むとより面白いと思います。藤野は意地悪な印象があったのですが、イメージが覆りました。部屋付きの禿や新造を可愛がる思いやりのある傾城でした。そして一途で、健気です。少しでも諏訪の負担を軽くしたくて、仕出しではなく鍋焼きうどんを頼んだりと、いじらしさに涙が出ました。

藤野の一途さ素敵だけど、素直じゃない所が小悪魔感満載で面白かったです！シリーズ物なので他のも読んだほうが、作品の深みが増すと思います！

安定の面白さ。最後もうひともんちゃくあっても良かったかな。

主人公の藤野がかっこいい！クールビューティです。頭がよく、周りに気配りができて、冷静に物事を見る中でも情緒をきちんと持っている辺りですごくいいです。この人が一番、ビジネスとしてきちんと傾城やっているのでは？と思ってしまった。客も取って稼いで、相手にいい気持ちにさせるけど、内心割り切っている辺りとか・・・(;^ω^)また、恋人の須和との廓での遊び方、囲碁や流連(いつづけ)や着物の新調のエピゾートが、遊郭の感じがよく出ていて非常に参考になります。ちなみに、前作の話を知っている方が後輩新造の椛のその後とか分かるから、前作読んどいた方が2倍楽しめます。そして、この作品の絵が全部のイラスト通して、非常に綺麗。2,3枚、イラスト担当の絵描きさんがうまく描けなかったページがあってもおかしくないのに、ラストの10作品目のせいか、描き慣れたのか、すべてのページの絵が非常に綺麗です。

意地悪な印象だった藤野の一途で相手のために必死になる姿がすごいよかったです。恋愛ごっこから始まる関係でもお互いに信頼しあって、大切に思いあってるようでよかったです。