レビュー一覧

いわゆるスラッシュノベル初読みでしたが完成度の高さに「ほほおー」と唸っちゃいます。相当なボリュームの骨組みのしっかりしたミステリー(←これのみで十分面白い)にラブロマが乗ってる感じでしょうか恋愛中心ではありません、が甘さはしっかりあるんです。エリオット目線での日常と真摯に事件を見つめ考察する目とタッカーに対し裏切られた悲痛を孕んだそれでも愛しい思いの描写がとにかく伝わってくる。舞台がアメリカとゆーことで人種問題だったり思想や信念に則りそれぞれの考え方が明確に違ったりする背景を描いていますが日本のBLでは絶対見られないのでそこも興味深いし都合のいい2人の世界じゃないのでリアリティもある。大人の男同士のやり取りも感覚はやっぱりちょっと違うんだけど喧嘩腰ながらもユーモアや皮肉があって小気味いい。あとこれは衝撃と言っていいでしょう「濡れ場に喘ぎなしの過剰さ皆無(笑)」なのに十分艶っぽく愛を感じられるってゆー不思議(精々「くそっ」程度、しかもゾクっときたし(笑))。キスシーンも名前をポツリと呼ぶだけで色っぽいってゆーか。日本BLでは喘ぎ声ってほぼ必須ですもんね。。さて続編があるよーなので早く翻訳されないかなぁ！

BLとミステリー大好きなんですよねー（笑）どっちの要素も楽しめるなんて、一粒で二度美味しい！「FBI心理分析官」「羊たちの沈黙」「ドラゴンタトゥーの女」の世界観がお好きな方ならストライクだと思います。著者の作品は３シリーズ全部読みました。アドリアンシリーズの一巻は2人の関係にほぼ甘さが無くミステリーの比重が大きいという印象を受けました。二巻は2人が進展するにつれて萌え萌え出来ます。ドント・ルックバックは主人公が記憶喪失なので、最初は読み手も一緒に振り回されます（笑）フェア・ゲームが一番、ミステリーと2人の関係を上手く織り交ぜてあって甘い印象です。私は「アドリアン・イングリッシュ」「ドント・ルックバック」「フェア・ゲーム」の順に読みました。が、逆から読んだ方が日本の腐女子や貴腐人には世界に入りやすいかなーと思います。私はどれから読もうか迷ったので参考まで。あ、全部面白いですよ！（笑）

この著者にどはまり中で、紙で持ってます。女みたいな男の子の話じゃなくて男同士のカッコいいお話が読みたい、いちゃこらしてるだけではなくてきちんとストーリーも展開して欲しい、でももちろんちゃんとそっちも致して欲しい、という方にお薦め。そもそも体が大きくて普段はクールな攻めが受けを溺愛している設定が何より大好物な私ですが、タッカー、もう格好よすぎて苦しくなってきました。草間さんの挿絵が最高なので、すべての電子小説で挿絵入りで読めるようにしてほしいです。続編の翻訳、お願いします。もちろん草間さんの挿絵で。また、三浦しをんさんが解説書かれていてお得です。そして三浦さん同様、私も「くそ」って言ってほしい派です。なんならこの本全体でタッカーの「くそ」に一番萌えていたので、最後に解説読んで笑ってしまいました。ちなみにアドリアン・イングリッシュシリーズもドントルックバックも攻めがLAPDで、ロサンゼルス市警殺人課にはどんだけカッコいいゲイがたまってるんだってかんじでしたが、今回はＦＢＩです（笑）

地に足がついた大人たちの、洒落た会話の応酬が魅力的。主人公エリオットとその相手、タッカーとの関係は切なくも焦れったい感満載。二人がどうなるのかも気になれば、事件の行方も気になり、ぐいぐい読み進めることができます。翻訳も不自然さはなく、すっと入り込んでいけますし、上手い言葉選びだなと思うこともしばしば。ミステリーとしても、男同士の恋愛ものとしても骨太な作品です。草間さかえさんの挿絵もイメージにあっていて、とても美しいです。海外物ということで、激しかったり生々しいのではと危惧していましたが、濡れ場においても抑制された表現で(色気がないという意味ではありません)安心して読めました。さらに先があるなら、ぜひ読みたい！　と思ってしまう名作です。

面白かったー。ミステリーがハラハラ感を煽って先へ先へページをめくる手を促します。犯人を見つけて行く過程がきちんと描かれているので情景が目に浮かびます。ちゃんと恋愛もベースにあり、二人の距離感を楽しめます。ただあまりエロスは求めない方がいいです。サラッとしてますから。それにしてもこの作家さん、全部面白い！黒柳さんのレビュー参考になります。ちなみに私は『フェアゲーム』『アドリアンイングリッシュ』『Dont look back』の順に読んでしまいましたが、『アドリアンイングリッシュ』は最後に読んだ方がいいです。シリーズものだけあって間違いなく面白いし壮大なので、入口としてフェアゲームは本当にいいと思います。全部制覇したくなります！

上質なミステリー&ラブロマンス。次々とこの人あやしいかも、という人が登場して、ドキドキしてしまいました。ラブに関しては、むしろもどかしい位の進展で、もー本当はお互い好きなくせにとやきもきしてしまいました。甘さを楽しみたいのであれば、こちらはどちらかと言うと硬派なので、アドリアンイングリッシュの方が楽しめると思います。

萌えに国境はない。良い言葉ですね。登場人物に犯人として疑わしい人が何人もいて、本格ミステリー感満載です。それにしても二人の男前で対等なことと言ったら！そして脆さ。これは映画化してもありかと。

続きが読みたくてたまらない！という作品で、3分でも時間があれば読んでいました。アドリアン・イングリッシュを先に読んでいたので、全幅の信頼を寄せてよんだのですが、全く裏切られませんでした。ミステリとしても恋愛ものとしても楽しめます。また、翻訳ものですが日本語としてもこなれてて、でも海外物特有の言い回しが伝わる、非常に読みやすい文体でした。海外物は…という方も、ぜひ読んでみてほしいです。

サスペンス映画を観ているようなドキドキはらはら感、2人かがいつどんな風にくっつくのかドキドキわくわく感、凄く良かったです。

アドリアンシリーズは、アドリアンとジェイクの関係が５巻通してじっくり描かれていました。フェア・ゲームは、シリーズ一冊目で主人公カップル二人の仲が修復されるので、そういった面でのハラハラは少なく、私としては安心して読めました。三浦しおんさんの解説もとっても面白かったです。