レビュー一覧

火崎さん、やっぱりイイですねー。先を予想させつつも巧くベールに包んで淡々と展開させて、心理描写も丁寧なのでしっかり切なくドーンと突き落としてくれて(笑)その後グイっと気持ち良く引っ張りあげてくれます。本作のキーである「記憶喪失」、あんまり書くと全てがネタバレになってしまいますが「受けと受けの過去(あえて『受け』と表記します)」について衝撃の事実が明らかになるところが凄く良く考え練られてて面白かったぁ、あぁ、へぇー？そーなんだ！と(笑)。だんだん木津川が態度を軟化させていき『悠一』が自らの過去の過ちに悔いて向き合ってる件はジワっと涙ぐんでしまいました、こんなにイイ子なのに！(笑)そう言えば高木くん、ババーン！と登場して大騒ぎしたわりに一回だけの友情出演で終わっちゃって。アレアレー？って感じです。火崎さん、まさか書いてる途中で次回投入忘れちゃった？(笑)

記憶喪失の受けが可愛い！素直！そんな受けにだんだん惹かれる攻め。でも憎い敵かも、悩ましい問題だったけど解決して良かったです。もう少しその後を見たかったな。

ちょっとしたサスペンス要素もありながらのBL作品でした。記憶を無くした主人公が、それでも前向きに誠実に生きていこうとする姿勢を見せていて、好感が持てました。

以前よく読んでいた作家さんなので手に取りました。やっぱり骨格がしっかりしてるからストーリーが展開してもスムーズに入ってくるのがさすがでした。面白かったです。個人的に木津川さんが、あまり得意なタイプではなかったので星ひとつ下げちゃってすみません。

記憶喪失ものです。色々な記憶喪失ものがあると思いますが、受けは、本当に空っぽで、無垢な状態になってしまうので、人生をやり直す形になります。攻めは人を見る目があったんですね。最後のどんでん返しは嬉しい終わり方で、幸せな気持ちにさせてくれます。何度も読み返したくなる本です。

この作家さんの作品ではダントツ！最後の最後まで集中して読めました。とにかく受の子が素直でいい♪