レビュー一覧

どちかというと犬が好きで、猫はあまり好きではないのですが、こちらのお話はとても良かったです。少しさびしくて、でもほんわかできて。絵も綺麗だし、文句なしの★5つを付けたい作品でした。できれば48時間じゃなくてずっと読める方が良かったかな。

前半の３作品はシリーズもの。後半の３作品は単品です。表題作の『９匹目の猫』はよく練られていて、王道の漫画ですね。私は『黒猫の散歩』が好きでした。黒猫を不吉と思う人は、かなり年配の人でしょうね。黒猫は魔除けになるそうです。うちにも１匹います。黒猫の毛色に一部白い部分があるのは「エンジェルマーク」と言い、このマークがある黒猫は幸運を運んでくるそうです。また、鍵シッポの猫も、幸運を引っ張ってくるので縁起が良いそうです。猫にまつわる迷信はいろいろありますが、猫はどの子も可愛いですね。

なかなかおもしろいというか、きれいにまとまってるマンガですね。絵も物語も非常に落ち着いた雰囲気で、あっという間に読み終わってしまいました。しかし、こういう猫とか犬とか題材にしたお話はどうも単発になっちゃって、お気に入りの登場人物が出てこなくなっちゃうからそこが残念です。内容はよかったですよ。ちなみに私は犬派ですが、あまり問題はなかったです。

ハッピーエンドものの綺麗な話ばかりで、おとぎ話めいた読後感。その分いまいちリアリティがなく、淡々とストーリーが流れていく感じです。最後のお話だけ、人の世の毒が感じられて、少しリアリティあったかな。猫好きとしては共感できるところもたくさんあります。昔縁を持った猫を彷彿とさせられるのが複数でてきて、懐かしくなりました。

猫が上手く描けているし、絵がとても綺麗で読みやすかったです。一話目の年取った猫の話、よくわかります。うちにもお年寄りの猫がいたけど、見た目もかわいいし、甘えん坊でおじいちゃんになったことを実感できませんでした。家族が弱った猫を優先させるのに共感しました。

動物は家族なんだよ。元気にしてあるときは当たり前だと思っているけど、人より年をとるのが早い。弱っても訴えないから気が付いた時は・・・。健気だからつらい。パパの出張を親父が調子が悪くてと言ってやめた気持ち分かる。会社には言っても分かってもらえないからね。

ほのぼのとした内容で癒されました。ネコが人間関係も良好にしてくれましたね。

猫というのは不思議なもので普段呼んでも知らん振りなくせに、こちらが弱っている時には何も言わなくても寄り添ってくれるようなところがあります。心底辛い時でも猫を抱き寄せると少し心がほぐれる感じがします。こうした人間の勝手な思いをいつも受け止めてくれる猫たちは人間よりはるかに短い命を生きている。お別れは必ずやって来ます。その別れをどう捉えてその先生きて行くのが良いのか考えさせられる作品です。猫に先立たれるのは辛いけれど、猫を残して先立つのはもっと辛いでしょう。何とか今飼っている猫たちより長生きして、最後の一匹までちゃんと見送ってやらねばと考えているところです。

三浦先生の古くからのファンはくすっと笑えるところも含んでいると思われます。。。猫好きというほどの猫好きではありませんが、ほんわか楽しめました。

じんわりしたり、ほっこりしたりするお話でした。 私はこういうお話は好きです。 各話の終わりがスパッとし過ぎてる感じがして、ちょっと気になりました。 個人的には、もう少し余韻が欲しいと思いました。