レビュー一覧

戸田誠二さんは昔から大好きです。彼の素晴らしいところは、切ないながらも前向きな等身大の人間ドラマを、緻密にしかし伸び伸びとした画風で描くところだと思います。いつも戸田さんの作品を読んだ後は考えさせられます。この本も素晴らしいですが、戸田さんの作品なら、私は現代を舞台にした作品たちを特にお勧めします。

短編集です。原作がどういうものなのか詳しくは分からないのですが、なぜそういう展開になったのか、どうしてその人物がそういう風に考えるのかどの話でもよく分からず、途中で ん？と首を傾げる部分が多かったように思います。主要となる男性、女性の登場人物の性格がどの話でもほぼ一緒で、物語に沿って作者に無理に動かされているような違和感を覚えました。物語ありき重視ではなく、登場人物をもっと掘り下げてその視点での動機を大切にしてもらえたらリアリティがでたのに…と思いました。

期待して読んだせいか、どれも浅く感じてしまった。画力、ストーリィ、ともに及第点でしかない。時代も国も違うストーリィの中で現代に生きる読者に共感させようと、わざと会話や思考を現代に合わせたのか？かえって異常な状況なのに緊迫感も共感も得られなかった。意欲は買うが、もっと努力が必要か？

うーん…なんか中途半端だなぁと読みながら感じてしまう作品でした…。絵も話も凡庸です。例えば絵がコマ割りなり視点なりに目を見張るものがあるとか、話に二転三転あるとか…、とにかく特化してるものが特に無いように思います。話は教訓めいた内容ですが、読後に心に残るほどの力が無いです。せめてこれで、ほのぼのした雰囲気なり恐い雰囲気なり、「話も絵も普通だけど何か好き」って思わせるような独特な間合いや雰囲気があれば良いのですが。あまりにも「普通」なんで、逆に「うわ！これヒドいなー」って思うくらい出来が悪いほうが救われますね。

「化けの皮」「唄う骨」ともに、とてもオススメです。温かく、時に厳しいまなざしのこの作者は別の作品で知っていましたが、これは凄く良いと思います。１００円は、絶対買いです。人間てどこの国の人もいつの時代も同じなんだな、、と当たり前の事を、作者の解釈と伝承された話で改めて知る事ができます。厳しい時代に、善く生きる事の大切さ、大変さも。

きゃんきゃん大騒ぎなレディコミやボーイズラブ、ハーレクインのようなマンガでは物足りない方におすすめです。雰囲気もあって、引き込まれます。やや絵は雑なところがありますが、そこはまた味わい。一時的な娯楽だけでないものがあります。この作者の作品が気になりました。

作者が非常に博識で表現力豊かだ、と感じました。原作とは大分違いますが、春香伝をモチーフにした漫画なぞ初めてです。韓国の古典ですが、読んでいるヒトも多くはないかと。残酷なシーンもありますが、どことなく人間の暖かさを感じます。強いていえば、女の子が可愛くない。美人設定のはずなのに、表情が男みたい。

エスニック・民族風の世界観や衣装などが好きなら楽しめる作品だと思います。逆にそういったものに興味がなければ駄作〜凡作の評価が順当かと感じました。民話など原作ありきのストーリーなのでしょうか。絵本のような教訓系の展開でこれといって強烈な個性もないので無期限レンタルや何度も読み返したりすることはないかなという感想です。1チケで読む分には楽しめましたので☆3で。

期待して読んだのか、とってもガッカリした。あまり引き込まれず。

なんか、尤もらしい感動ばなしに仕立ててるけど、内容がないような。