レビュー一覧

河村さんは和物のイメージが強過ぎてハーレは敬遠していたのですが、試しに読んでみたら思いの外ハマっていました。河村さんの作品にはよく出てくる、押しは弱いけれども頑固な所のあるしっかりものの女性と、ちょっとヘタレだけれど誠実な男性が、不器用に恋をします。情緒を描くことが上手い人なので、ワケアリの二人の心の揺れを、細かいエピソードを効果的に加えて優しいタッチで表現しています。絵柄を見て（ちょっと…）と思った方も、騙されたと思って読んでみて下さい。いつもの華麗な世界とは一味違うハーレを体験出来ますよ。因みに、この方はお花を描くのが上手いと以前から思っていました。花の出番はあまり無い地味なお話ですが、ラストシーンはほんのり素敵ですよ。

派手な絵ではありませんが、細かな心理描写に親近感を持てる感じです。仕事ができる地味な女性が、ドレスアップをきっかけに花開く展開が素敵です。

昨今の漫画にありがちな画面的な派手さがないので、絵の好みがわかれるかなとは思いますが、私は遠藤淑子さんの作品が大好きなので、河村恵利さんのタッチも大好きです。基本的に主人公の目線で展開し、舞台のアングラ演劇作品を観ているかのような「人間」の表情や表現が丁寧で堅実な感じがよかったです。例えるなら、CGをいっさい使ってない映画みたいな感じ。ハーレクインらしさ、というか、ゴージャス＆華やかなステレオタイプさを求める方にはおすすめしませんが、演劇好きとしてはこういうハーレクインの姿もあるんだー、というのが嬉しい作品でした。

すごく盛り上がることはなく、淡々とストーリーは進みます。それでも読んだ後はジーンとなりました。不思議な作品...

いじめっ子同僚の存在が、お話の発端となる、ヒロインを困窮させた原因なのだから、ヒーローがカタキを取るのではなくて、優秀なヒロインがスマートに追い詰めてくれたら、面白かったんだと思います。優秀で我慢強いヒロインって嫌いじゃないけれど、一流企業で働く優秀な女性のセコイ嫉妬心と幼稚なイジメという、バカバカしいきっかけだからこそ、物語として昇華して欲しかったな。お話のまとめ方そのものはお上手だったので、4☆ということで。

ちょっとホロリ。地味な(失礼)絵がかえって、じわ〜〜っときます。いつの間にか2人の世界に入り込んでしまい、ラストには穏やかな幸福感。心がストンと落ち着きます。

絵の雰囲気とストーリーがピッタリと合っていて、とても読みやすかったです。ストーリー全体の抑揚は控えめですが、かえって話の現実感が増す感じで、入りやす作品だと思います。

読み終わった後気持ちがほっこりするお話でした。

良い！！妻を亡くし、殻に閉じ籠っていたヒーローですが、ヒロインと出会い、その殻から抜け出します。途中、ヒロインの元同僚という、チョットしたスパイスもありつつ。

絵柄もストーリーも淡々としっとりしています。ヒーローもヒロインも仕事が出来て、優しい人物。ヒロインが前の会社を辞めることになったのは、女性社員達の嫉妬からのイジメでした。ヒーローのおかげで更なる嫌がらせから救われ、会社にも、また働いて欲しいと要請されます。そこまでしてくれたヒーローなのに、亡くなった妻の夢を見た事でヒロインと別れようとします。ステキな奥様だったのに、そんなこと言う訳無いのにと、残念でした。そこで☆4つかなぁと。