レビュー一覧

紙媒体でも持っています。が、久しぶりに電子書籍で発見して思わず購入。初めて出会ったサイバラ先生の作品です。綺麗事は一切ありません。命やお金、人、生きること。サイバラ先生の全てが詰まった作品だと思います。安穏と生きてきた自分には、衝撃でした。時には読むのが辛いほど。思い出深い、名作です。

一太の必死さはもちろん、かの子の必死さ、一見無邪気な二太の必死さに、気持ちがぎゅっと締め付けられる良い作品でした。ぱっと見のほのぼのとした絵柄、タイトルとは裏腹に、裏社会、底辺の世界の日常が描かれている作品なので、登場人物の背景はとてもブラックです。読後感は切なくて苦しく、皆が幸せになることを願わずにはいられません。幸せになりたいともがいていくほど、じわりじわりと海の中に沈んでいってしまうような、でも海の中から見える青空はとても綺麗で、手を伸ばそうとまたもがいてしまう、そんな感覚に陥りました。スラムというのか部落というのか、いわゆる治安の悪い町が舞台となっているので、自分の中の常識や倫理観を取り払って読むことをオススメします。

映画化されたンじゃ無かったかな。西原理恵子ならではの世界観。子どもの頃の貧しい生活が反映されながらも力強く逞しく、そして切なさが少し残る。絵はあれですが、エッセイ漫画が一流だと思うけど、漫画家としても一流だと感じる一冊。

西原理恵子の最高傑作は？と聞かれたらこれ挙げる人おおいんじゃないでしょうか。貧乏で、でも暖かくて、でもどうしょうもなく醜い人達の生活。キャラたちの今後に明るい未来はほとんど見えません。それでも幸せであってほしいと願わずにはいられない。最後のコマは泣けます。ちなみに映画版とはストーリーというかキャラの関係性がちょっと違います。

初めて読んだ時、何とも言えない気持ちになりまりた。2度３度読んでいくうちに作品に引き込まれていきました。どうかみんな幸せになってほしい。辛いけど、悲しいけど、明るく楽しく「生きる」「笑う」素晴らしい作品です。

壮絶な生き方を書いているのはわかるけど、繰り返しながい。こんなに長くなくていいし、高い。評判にだまされたな。

昔読んだ時はものすごく感動したの。「こうゆう時は笑うんや」って台詞もね座右の銘だった。でも、今は物凄くモヤモヤする。だって、悲しい時に無理して笑ったって、何にも解決しないじゃん。「こうゆう時は笑え」っての、ただの根性論だって思う。自分の家庭環境は、さおりちゃん家に似てた。だから、さおりちゃんの気持ちすごく分かる。かの子姉さんみたいに、泣き顔を洗って、家で笑ったって経験もある。自分がああいう生活から抜け出せたのは、悲しい時に笑うことをやめたからなんだな。もっと率直に、自分の気持ちに向き合うようにしたから。今、福祉の勉強してて、「こうゆう時は笑うんや」にやっぱり「違うよ！」って思っちゃう。この漫画と一緒に根性論が広まりませんように

読むと途方に暮れる漫画です。面白いのに悲しくて、辛くて、でも面白くて。どうにかできたらいいのになぁと思っても、どーにもならないことばっかり起こる。

色々な経験をしている西原さんだからこそ描けるストーリーで、読んでいても胸に響きます。子どもは親や環境を選べなくて切ないです。

かのこが、一太が、二太が、みんなが幸せになれますように。