レビュー一覧

伊勢原さんの商業デビュー作。そうは思えないほど、とてもクオリティの高い作品だと思います。人生に絶望し自殺まで考えていた主人公瑞生は、織部という町立図書館司書の男（よくある実業家とか医師や弁護士などではなく町立図書館でエプロンをして子どもに読み聞かせをしているっていうのがヨイ！）に拾われ寝場所から食事、さらに心地よく過ごせる自分の居場所（図書館の一角）さえ与えられる。ここで「織部の優しさに荒んだ心が癒されていく」なんて陳腐な展開にならず、瑞生が常に「こんな自分に優しくするのはなぜだ？」「いつかは自分の元を離れて行くのだろう」と不安を抱え続けている… その心の動きがとても丁寧に描かれていました。織部に「ありがとう」の一言もなかなか言えない、他人を信じられず関わるのが怖い… 彼の繊細な心情がよくわかりました。そして織部！ただの博愛精神溢れる親切な男ではなく、チラチラと垣間見える執着愛。過去に似たような経緯で織部に保護されていた男の「織部は不幸な人間が大好きなんだ」「自殺した妹への罪滅ぼしのために、自分達のような自殺志願者を助けようとしている」という下り、やはり執着愛のヤンデレであったか！とハラハラ。最初からずっと危うい感じがしていたのはこれだったのかと嬉しくなりました（すみません、心の闇とか病み系が結構好きなもので）織部の「君を守りたい・独占したい・閉じ込めておきたい」に引きずられて一時は共依存の上に立つハピエンになるのかな？と思いましたが、瑞生がなんとか自分の力で立っていこうと良い方向に向かっていったのが良かったです。ただ会って間もないのに織部が瑞生のどこに惹かれたんだろう？と考えると（思いのほか美貌の持ち主だったというのはありますが）やはり薄幸不憫な“守ってあげたい”人間が好き、それを守ってあげる自分が好きなんだろうなあと感じます。斑目さんのイラストが雰囲気にぴったりでした。

もともとイラストを描いている方からこの作者様を知ったのですが、そのお陰で本当に良い作品に出会えました！2人の関係やストーリーはゆっくり進みますが、後半の話の流れがとっても良かったです。文句なしの星5です。

幼少期から苦労人の有沢さん（受）が職場でイジメられ、住むところもなくし、生きる事に絶望する。そんな彼をスパダリ綾部さん（攻）があの手この手で救おうとするお話し。綾部さんの気遣いと優しさが押し付けがましくなく、有沢の気持ちを第一優先に考えるし、絶対に側から離れないし。もーこれは心開くし惚れますよ(笑) ふたりの台詞や性格が念密に書かれていて、感情移入しやすく、とても読みやすかったです。個人的に綾部さんはおっとり癒やしプロだと思ってたから中盤からＳっ気執着イケメンに変身して心臓痛かったです。まさかこんなド真ん中ドストライカー（意味：凄いタイプ）がくると思わなかった。ビックリした。心も温まるよい作品でした。そして斑目ヒロ先生の絵も最高でした。 ※※※ 失礼承知でわたしが一番好きなシーンの台詞を抜粋致しますので、止めい！！！という方は読み飛ばして下さい！ すいません！《218ページより抜粋》 綾部「あの日僕と会わなかったら、今君はここにいなかったかもしれない。君を救ったのは僕だ」 有沢 「ぁ、綾部……やめ……」 綾部「だから、君は僕のものだ。僕だけのものだ。一生、誰にも渡さない」

自分の人生に絶望していた瑞生が綾部や周りの人達の優しさに触れ、もう一度人生をやり直していく過程は感動的でした！題名通りの優しいお話しです。

☆5では足りないぐらい凄く良かったです！！切なくて泣けました。綾部さんの包容力にまるっと収まるだけでなく、側で見守られながら自分の力で再び立ち上がっていく瑞生の姿が良かったです。互いが信じ合っているところにキュンキュンきました！綾部さんの束縛もなかなか良かった。初めて読む作家さんだったのですが、他の作品も是非読んでみたいです。

良かったです。辛くて苦しい人生に絶望した受けが攻めに出会って、人に関わり、人の優しさを知り愛溢れる人生を手に入れる。良かったです。今までの分も幸せになって欲しいです。

良い作品でした。良い作品ほど、語りたいのに語るの難しい！とりあえず読んでみてっと思ってしまうタイプなのですが、今回の作品はそれだと思います。微妙な表現や感情ってレビューで説明するのが難しいなと思います。損はないと思うので是非読んで見てください。

題名通りの綺麗なストーリーでした。自分の居場所があるっていいなと思えるような物語でした。挿絵は好みが分かれるかなと始めは思いましたが、小説の雰囲気にぴったりでよかったです！

泣いたなー。綺麗な涙が出ました。辛い人生を歩んできた受けがこれまたトラウマのある世話焼きな攻めの優しさと愛で人を信じられるようになります。よかったです！

瑞生の生い立ちは読むのが辛かった。でも、静かな文体は感情移入して読むことが出来ました。ただ、綾部の人となりの説明がイマイチだったので、何故瑞生のことをそこまで好きになったのかが分かりにくかったです。