芸術の才能を持つ若者を集め、援助を施すノワール伯爵。ただし愛人としての務めも果たさないといけないという。覚悟して招きに応えた画家志望の少女ミシェルが対面した伯爵は優しく真摯。ミシェルには触れてこようともしない。「愛人」はただの噂？　けれど同じ修業中の美少年が愛人だと聞いて衝撃を受けた彼女は、伯爵に恋していることに気づく……。美と官能が共鳴する耽美ロマンス！

柏木愁弥が親友と二人きりで支えている大学の演劇部『慧』に、入部してきたのは、城下青という関西弁の美少年。新人に似合わないずけずけとした物言いは、確かな演劇経験に裏付けされていて、愁弥は初日から振り回されっぱなし……。青の入部に伴い、廃部寸前の演劇部の存続をかけた『レベッカ』の公演が決定する。練習は順調だったが、愁弥は自分が作・演出でありながら、青の手のひらの上で踊らされているような気持ちになっていく。「俺は、柏木さんの書いた人物を自分の肉体、使うて再現してるだけや」と青は言うが、愁弥は納得できない。その上、ゲイだという青に「な、いっぺんためしてみ？」と迫られ、愛撫を許してしまう。身体は快感を得たが、男同士のつきあいには踏み切れず、さらに悩みを抱える愁弥。そんな時、公演予定だったホールが手違いで使えなくなるという事態になり、公演そのものが危ぶまれることに……。※本作品はイラスト入りです。

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは、いっさい関係ありません。
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大学生の植村主税には年上で美人なギタリストの恋人・浅倉静がいるが、静の恋心が見えず、不安を抱えている。一方、主税の後輩・市原梓は寮で先輩に乱暴されてしまう。彼を気の毒に思った主税は梓を自分のアパートに泊めるが、その時、梓はずっと主税が好きだったと告白し、抱いて欲しいと頼む。いったんは拒む主税だったが、梓の必死な様子にほだされ抱いてしまう。しかし、翌朝、静に現場を見られてしまう。主税は修羅場を覚悟するが、何故か静は穏やかな表情のまま去って行く。梓を可愛いと思っていても、愛しているのは静。別れたくない主税は、その夜、静のマンションを訪れる。だが、そこには梓がいて、しかも、ふたりの間には、微妙な雰囲気が流れている。主税の愛情は多すぎて受け止めきれないと言う静と、2番目でもいいから恋人にして欲しいと言う梓。ふたりに挟まれた主税の選択は……。ふたりのうちのひとりを選ぶのか、それとも……？？
※本作品はイラスト入りです。

ヨーロッパの小さな王国に住む孤児のローリーは靴磨き。貧乏だけど、街のみんなに可愛がられ、楽しく暮らしていた。そんな彼の夢は、亡くなった母のカメオのブローチを買い戻すこと。だけど、ある日、カメオはショーウィンドウから消えていた。そして、ローリー自身も、何者かに攫われてしまう。彼を攫った男は、特注の靴を履く美丈夫のエンリコ。ローリーの父が亡くなったこと。ローリーが次期当主に指名されたこと。そして、ローリーに当主にふさわしく教育するのが執事であるエンリコの役目だ、と説明される。「なにを今さら……」と反発するローリーだったが、エンリコに言いくるめられ、孤島に連れて行かれてしまう。そこで、ふたりきりのレッスンがはじまる。無愛想で無表情なエンリコだったが、その奥に隠された細やかな心遣いに気づいたローリーは、次第に彼に惹かれていく。空から星が降るような突然の「恋」には、思わぬ障害が……。
※本作品はイラスト入りです。

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大学の演劇部『慧』の新入生歓迎公演『レベッカ』は、無事終了する。その翌朝、柏木愁弥は城下青と身体を繋ぐ。“アレ”の最中の青はとても可愛く、愁弥は、自分が思っていた以上に青に夢中になっていることに気づく。だが、“アレ”後の青の態度はいつもと変わりがなく、愁弥は青に重いと言われるのを恐れて、本心を打ち明けられない。そんなおり『慧』に樋口紫乃というボーイッシュな美少女が入部する。紫乃は、以前愁弥が口にした好きなタイプそのものだった。その上、次回作にいいアイデアが思いつかなかった愁弥は、紫乃に望まれるままに『奉教人の死』を脚色してやったので、青は愁弥が紫乃に惹かれているのではないかと疑い始める。あまりにもあっさり『俺は身を退いてもいい』と言う青に、愁弥は愕然とする。さらに、書き上げた『奉教人の死』の脚本を、完膚無きまでにけなされ、愁弥は切れて、部室を飛び出してしまうが……。※本作品はイラスト入りです。

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浅沼円架は、画家である継父・司貴道のモデル兼マネージャーをしている。円架は、裸体で父の前に立ち、そのすべてを継父に捧げている。だが、円架は、貴道の想いが自分にないことも知っている。貴道が望む身体になるためにスポーツジムに通い始めた円架は、インストラクターの三原皓一と知り合う。円架に一目惚れした皓一は、熱心にアプローチする。継父への想いは断ち切れないまま、円架は愛される心地よさに、彼と恋人同士のつきあいを始めてしまう。別れなければならないと思いながらも、皓一が与えてくれる温かさを失うことが次第に怖くなっていく円架……。だが、皓一の真剣な想いを知れば知るほど、彼を振り回してはいけないと思い、円架は皓一の前から姿を消す。数か月後、晧一は円架の居場所を突き止める。晧一の突然の訪問に驚きながらも、円架は、継父と自分との複雑な関係を告白する。だが、それは皓一にとっては衝撃的な事実だった。

※本作品はイラスト入りです。

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僕の心は沙漠と同じ。不毛な、死の世界……。片恋破れ、死を求めてアラブの沙漠をさまよう高校生・高澤杏里。しかし、少年を迎え入れたのは、死神ではなく、鷹の目をしたライール国の首長（シーク）、マフムードだった。ここでは自分が法だ、と言うマフムードの命令で、杏梨は彼の“奴隷”としてその邸で暮らすことになる。朝に夕にとその色を変える沙漠……そんな沙漠にも似たマフムードに、杏梨は翻弄されつつも次第に惹かれていく。杏梨はライールで生きていく決意をするが、アラビアン・ナイトのような宮殿には、美しい女性たちが住むハーレムもあって、シークである彼との恋の成就は望むことさえできない禁忌であった。そんなとき、ライールの秘密を狙う盗賊に杏里は誘拐され、彼らに乱暴されそうになり……。行くあてない日本人少年と、精悍な青年シークの不器用な恋は、沙漠にかかるオーロラのように儚いものとなるのか……。