蘭郁二郎ミステリー集。四話収録。湘南のサナトリウムで治療する結核患者たちに迫る死の恐怖。魅力的なマダム丘子に刺青を描く恋と芸術に狂った男。丘子は殺されたのか、そして丘子の秘密とは……「虻の囁き」。他に「睡魔」「足の裏」「鱗粉」。
血の滲む努力で花形曲芸師になった黒吉。彼は空中ブランコで飛んでいる時予知夢をみることができた。一座の花形で妖精のように魅力的な葉子と幸せな未来を見たいが無理して飛んで片足を失ってしまう。新しい仕事は航空研修所のパラシューター。過酷な運命の黒吉、最後は幸せな気持ちになって飛ぶ。
思わずぞっとしたりヒヤリとする危ない話を10本集めました。息を止めるのが生き甲斐の男。そのとき不思議な幻覚を見るという……「息を止める男」。その緑の美少女は果して植物なのか……「植物人間」。他に「古傷」「幻聴」「宇宙爆撃」「地図にない島」「脳波操縦士」「白金神経の少女」「腐った蜉蝣」「火星の魔術師」
蘭郁二郎の恐ろしい話、グロテスクな話を集めたホラー、全7本。若い鉄道員が遭遇した恐ろしい出来事とは、死体を埋めた穴はどうなったのか……「穴」。都会の恐怖、孤独を愛する男は出会った人間をどうするのか……「孤独」。他「自殺」「蝕眠譜」「鉄路」「魔像」「歪んだ夢」。