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★手の届かない人を愛してしまった。婚約者のいる一国の王を……。★
ヘンリーが行方不明! 思いがけない知らせを受けて、ジェンセンは急遽、中近東のスマル王国へ飛んだ。兄ヘンリーは雑誌社の仕事で取材活動中、消息を絶ったらしい。それにしても、なんという暑さ。強烈な光と熱気で窒息しそうだ。こんな異国で手がかりもなく、どうやって捜せばいいのだろう。頼みにしているマイケル・ハサーンという、ヘンリーの大学時代の親友とも連絡が取れないのに。大使館でも、兄に関する情報は得られずじまいだ。途方に暮れ、ホテルの部屋に戻ると、突然、後ろから腕が伸びてきた。
「暴れるな」
口元を手で覆われ、はがいじめにされる。ジェンセンは男の手に噛みつき、必死になってもがいた。
「私はマイケル・ハサーンだ。落ち着いてくれ」
なんですって? いったいどういうつもりなの?
ヘンリーが行方不明! 思いがけない知らせを受けて、ジェンセンは急遽、中近東のスマル王国へ飛んだ。兄ヘンリーは雑誌社の仕事で取材活動中、消息を絶ったらしい。それにしても、なんという暑さ。強烈な光と熱気で窒息しそうだ。こんな異国で手がかりもなく、どうやって捜せばいいのだろう。頼みにしているマイケル・ハサーンという、ヘンリーの大学時代の親友とも連絡が取れないのに。大使館でも、兄に関する情報は得られずじまいだ。途方に暮れ、ホテルの部屋に戻ると、突然、後ろから腕が伸びてきた。
「暴れるな」
口元を手で覆われ、はがいじめにされる。ジェンセンは男の手に噛みつき、必死になってもがいた。
「私はマイケル・ハサーンだ。落ち着いてくれ」
なんですって? いったいどういうつもりなの?
ひどいわ! 父の遺言を聞いて、テスは呆然とした。名家出身のイギリス人実業家、アレック・デヴローと結婚し、イギリスに渡って彼の屋敷で1年間生活をともにすれば、テスの長年の願いを叶えてやるというのだ。母の死後すぐに再婚し、テスを寄宿舎に追いやった父。早く妹のジェニを継母から引き取って、いっしょに暮らしたい。そのためなら“契約結婚”だって……と思うが、彼はどうなのだろう。優雅な物腰の陰に見え隠れする敵意のようなものが気になる。“アレックってすてきだし、信頼できそうよ”なんて、11歳の少女らしく、ジェニははしゃいでいるけれど。
■1995年に刊行された人気作家ブリタニー・ヤングの名作をお贈りいたします。仲良しになったジェニとアレックの娘オリヴィアが、二人をくっつけようと画策する場面がくすっと笑わせる、心温まるロマンスです。
■1995年に刊行された人気作家ブリタニー・ヤングの名作をお贈りいたします。仲良しになったジェニとアレックの娘オリヴィアが、二人をくっつけようと画策する場面がくすっと笑わせる、心温まるロマンスです。